東芝株式会社とLQUOM株式会社は、量子中継技術を用いた量子鍵配送(QKD)の伝送距離延長に関する共同研究契約を締結した。2026年3月から2027年3月まで実施予定のこのプロジェクトは、東芝のQKDシステムとLQUOMの量子中継アーキテクチャを統合する技術的実現可能性の評価に焦点を当てている。この協力は、現在の光ファイバー量子通信における伝送距離の制限に対処し、大規模量子ネットワークおよび最終的な「量子インターネット」の開発に向けた必要なステップとなることを意図している。
この研究では、性能と実装の両面から、QKDプロトコルと中継器設計の最適な組み合わせを具体的に分析する。東芝は、1999年にさかのぼる高速鍵配送に関する研究の歴史を活かし、QKDアーキテクチャとプロトコルの研究を担当する。横浜国立大学発のスタートアップであるLQUOMは、エンタングルメントベースの量子中継システムアーキテクチャに注力する。これらの中継器は、標準的な光ファイバー損失に伴う劣化なしに量子状態を長距離にわたって中継するよう設計されており、信頼できるノードを必要とせずに安全な伝送を可能にする。
このパートナーシップは、東芝がコーポレートベンチャーキャピタル部門を通じてLQUOMに投資した2023年に確立された戦略的関係を基盤としている。東芝の商用展開されているQKD技術とLQUOMのエンタングルメント光源および中継ノードに特化した取り組みを組み合わせることで、このプロジェクトは次世代情報インフラの技術的基盤を確立することを目指している。この研究成果は、データセンター間の長距離セキュリティが優先される医療、金融、エネルギーなどの分野において、量子セキュア通信の社会実装を支援することが期待されている。
共同研究契約および両組織の技術ロードマップの詳細については、東芝の公式プレスリリースを参照されたい。
2026年3月28日




