量子システムのエンジニアリングと製造を行う企業TreQは、量子研究開発を加速させるために設計された、ターンキー方式のオープンアーキテクチャ量子コンピューティングシステム「Compass SG25B」を発表しました。このシステムは、Rigetti Computing、Qblox、QuantrolOx、Blueforsの各社のコンポーネントを統合し、研究者に拡張可能で、アップグレード可能な量子ハードウェアへの低レベルアクセスを提供します。
Compass SG25Bは、Ankaaクラスアーキテクチャに基づくRigettiのNovera 9量子ビットプロセッサ、Qbloxのモジュラー制御スタック、QuantrolOxのQuantum EDGE自動化プラットフォーム、BlueforsのUltra-Compact LD希釈冷凍機を搭載しています。2025年2月の統合テストでは、目標性能仕様を満たし、現在、世界規模での展開が可能となっています。
オープンアーキテクチャ設計により、研究者はインフラの制約なしに量子実験に集中することができます。システムのモジュール性と拡張性により、進化する研究ニーズとの互換性が確保され、量子コンピューティング能力の向上を目指す機関や企業に適しています。
TreQは現在、2025年と2026年のリファレンスサイトの入札を受け付けており、システムの応用を実証する機関を募集しています。また、Compass SG25BはAPS Global Physics Summitのブース208で展示され、科学的発見を加速する可能性を示します。
背景
ターンキー方式とは、初期設定や運用に必要な周辺機器やソフトウェアをすべて含め、ユーザーが電源を入れるだけで直ちに使用を開始できる形態を指します。これにより、専門的なセットアップ知識を持たない研究者でも、ハードウェアの構築に時間を割くことなく、すぐに量子実験に取り掛かることができます。
希釈冷凍機は、量子プロセッサが動作するために必要な極低温環境を生成する装置です。量子ビットは熱ノイズに非常に敏感なため、絶対零度に近い温度で冷却する必要があります。この装置は、ヘリウム同位体の混合液体を用いた熱力学サイクルによって、数ミリケルビンという極めて低い温度を実現し、量子状態の安定性を保ちます。
オープンアーキテクチャは、特定のベンダーに依存せず、異なるメーカーのハードウェアやソフトウェアを自由に組み合わせてシステムを構築できる設計思想です。これにより、研究者は自らの研究ニーズに合わせて、プロセッサや制御装置などのコンポーネントを交換・拡張することが可能になります。閉じたシステムとは異なり、技術の進歩に応じて最新の部品を取り入れながら、長期的にシステムを更新し続ける柔軟性を提供します。
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2025年3月19日


