量子コンピュータ関連銘柄 更新: 09/02 13:00(日本時間)
%は前日比・グラフは直近10営業日の推移 — 株価とニュースの突き合わせ / 業界の関係図
その他

量子最適化投資による収益率は10〜20倍になると D-Wave の調査が報告

要約

D-Wave社の調査によると、量子コンピューティングを活用する企業は投資額の10〜20倍の収益を見込んでおり、年間数百万ドルの投資で数千万ドルの利益が期待されています。今後12〜18ヶ月以内に量子技術を導入予定の企業は2022年比で50%増加し、業務効率化や収益増加を目的に金融やサプライチェーン分野での活用が進んでいます。

D-Wave Quantum Inc.(NYSE: QBTS)は、量子最適化の取り組みに対する投資収益率(ROI)に関する企業の期待を明らかにする新しい調査結果を発表しました。D-Waveに代わってHyperion Researchが実施したこの調査では、300社以上の商用量子コンピューティング企業の意思決定者を対象に調査を行いました。調査結果によると、量子コンピューティングを積極的に活用している企業は、量子最適化イニシアチブへの投資に対して10〜20倍のROIを見込んでいます。これには、年間300万〜600万ドルの投資に対して、ユーザーあたり6,000万〜6,500万ドルの利益が期待され、潜在的な経済効果は最大515億ドルに達すると推定されています。

D-WaveのグローバルユーザーカンファレンスQubits 2024で発表された2024年の調査では、量子技術の採用計画の増加も強調されています。具体的には、回答者の21%が現在使用中か、今後12〜18ヶ月以内に量子技術を本番環境に導入する予定であり、これはHyperion Researchの2022年の調査結果と比較して50%の増加を示しています。回答者は、量子最適化の主な期待される利点として、ビジネスプロセスの効率向上(24%)、収益増加(20%)、イノベーションの推進(14%)を挙げています。これらの利点の主要な焦点分野には、金融(17%)、サプライチェーン管理(16%)、製造(14%)が含まれます。

この調査では、主要なワークロードにおけるパフォーマンスの向上が、量子コンピューティング採用の最も重要な組織的要因として特定されました。D-WaveのCEOであるアラン・バラッツ博士は、企業が実世界の問題に対する量子ソリューションを積極的に追求しており、データは量子最適化が利益をもたらす準備が整っているという考え方の変化を示唆していると述べています。これは、量子コンピューティングがビジネス改善のツールとして進歩していることを企業が認識していることを示しています。

背景

本記事で頻出する「量子最適化」とは、複雑な選択肢の中から、条件に最も適合する最善の解を見つけ出す手法を指します。従来のコンピュータでは、候補が多すぎる場合、すべてのパターンを一つずつ検証するのに膨大な時間がかかることがあります。これに対し、量子最適化は量子コンピュータの特性を活用することで、より効率的に最適な答えを導き出すことを目的としています。記事では、金融やサプライチェーン管理、製造といった分野で、この技術を用いてビジネスプロセスの効率化や収益増加を図ることが期待されています。

また、「ROI(投資収益率)」とは、ある投資に対してどれだけの利益が得られたかを示す指標です。記事では、量子最適化への投資額に対する利益の倍率として言及されており、300万〜600万ドルの投資に対し最大でその10〜20倍の利益が見込まれるとされています。これは、単なるコスト削減だけでなく、ビジネス上の大きな経済効果をもたらす可能性があることを示す数値です。

さらに、「本番環境」とは、開発や試験段階を終え、実際に業務で運用されている状態を意味します。記事によると、回答者の21%が現在使用中、あるいは今後12〜18ヶ月以内にこの段階へ導入する予定であると回答しており、量子技術が実験的な段階から実際のビジネス課題解決へと移行しつつあることを示唆しています。

関連する記事として事業リーダーの4分の1以上が、量子最適化のROIで500万ドル以上を期待しているとD-Wave社の調査が報告D-Wave、量子最適化の商用化で大きな転換点―企業の期待値と技術統合の新展開D-Wave ハイブリッド量子アプリケーションが BASF の製造スケジューリング時間を5秒に短縮もあわせてご覧ください。

2024年6月21日

続きはメールでも受け取れます

新着記事のまとめを、毎日・週1回・月1回から選んでお届けします。 対談と教えて先生の続きも読めるようになります。登録も閲覧も無料です。

ログインしてメール配信を設定