オランダの量子チップ自動特性評価を専門とするスタートアップ、Orange Quantum Systems (OrangeQS)が、超過応募となったシード資金調達で1200万ユーロ(1380万米ドル)を調達しました。この資金調達はIcecat Capitalが主導し、Cottonwood Technology Fund、QBeat Ventures、QDNL Participations、InnovationQuarter Capitalが参加しました。これはオランダの量子コンピューティング分野で報告された過去最大のシード資金調達となります。
この資金は、量子チップを数週間ではなく数日で評価できる次世代テスト機器の開発に充てられます。OrangeQSは、超伝導量子ビットとスピン量子ビットの両プラットフォームに対して、スケーラブルで標準化された高スループットのテストを可能にすることで、製造のボトルネックを解消することを目指しています。同社の主力システムであるOrangeQS MAXはすでにフィンランドのIQMで稼働しており、FLEXとJuice製品はKIT、ナポリ大学、チャルマース工科大学、バークレー研究所、QuTechなどの機関で使用されています。
OrangeQSは、チップテストサイクルを加速し再現性を向上させることで、量子サプライチェーンにおける基盤的なプレイヤーとしての地位を確立しています。同社のツールは、大規模量子ハードウェアに向けた業界の軌道を支援し、量子ビット数のムーアの法則式のスケーリングを下支えすることを目指しています。
背景
量子コンピュータの心臓部である「量子ビット」は、従来のコンピュータで使われるビットとは異なり、0と1の両方の状態を同時に持つ性質があります。この量子ビットを実現するための物理的な仕組みとして、記事では「超伝導量子ビット」と「スピン量子ビット」の2つが挙げられています。超伝導量子ビットは、電気抵抗がゼロになる超伝導状態を利用した回路で構成され、現在の主要な方式の一つです。一方、スピン量子ビットは、電子や原子核が持つ磁気の向き(スピン)を利用して情報を表現する方式です。OrangeQSは、これら異なる方式のチップに対して、共通して適用できるテスト手法を開発しています。
また、「スケーラブル」という言葉は、システムの規模を大きくしても性能が低下せず、効率的に拡張できる性質を指します。量子コンピュータの実用化には、量子ビットの数を増やすことが不可欠ですが、その際に対象となるチップの品質検査を迅速に行う必要があります。OrangeQSが開発するテスト機器は、従来の数週間かかる評価を数日間で完了させることで、この「スケーラビリティ」を支える基盤となっています。
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2025年6月18日




