Quantum Computing Inc. (「QCi」) (Nasdaq: QUBT)は、7億5000万ドルの株式私募増資を発表し、2024年11月以降の総調達額は16億4000万ドルとなりました。この募集は複数の大口既存株主が主導しました。この資金調達は、商業化の取り組み、戦略的買収、量産体制の確立を加速することを目的としています。2025年10月8日頃に予定されているクロージング後、同社の総現金残高は約15億5000万ドルになる見込みです。
同時に、QCiは欧州光通信会議(ECOC)2025において、量子セキュアソリューションを発表しました。このソリューションは、高次元の時間-エネルギーベースの量子セキュアネットワークです。常温で動作し、ブロードバンド互換で、機密データの保護に向けた偏光ベースのアプローチに代わる堅牢なソリューションとなることを目指しています。このソリューションは、通信波長での時間-エネルギーもつれを活用し、より高いデータ密度と拡張性の向上を提供します。
QCiのCEO兼取締役会会長のユーピン・ファン博士は、この資金調達により2028年までの事業計画を実行するのに十分であると述べています。同社は現在、量子技術イノベーション企業から量子ハードウェアメーカーへの移行に焦点を当てています。量子セキュアソリューションは、この商業化推進の具体的な例であり、ECOCでのデビューは同社の特許技術を主流化する計画における重要な節目となります。
この大規模な資金調達と製品発表は、QCiのビジョンと技術に対する投資家の強い信頼を示しています。同社の継続的な財務戦略と製品開発は、量子ハードウェア製造と商業化に向けた将来の態勢を整えることを目的としています。
背景
本記事で言及されている「時間-エネルギーもつれ」は、量子もつれの一種です。量子もつれとは、2つ以上の粒子が互いに強く結びつき、一方の状態が変化すると他方も瞬時に対応して変化する現象を指します。通常、粒子のスピンや偏光などがもつれる例が知られていますが、ここでは「時間」と「エネルギー」という物理量がもつれた状態を意味します。この仕組みを用いることで、従来の方法よりも高いデータ密度や拡張性の向上が可能になると説明されています。
また、「量子セキュアネットワーク」は、量子力学の原理を利用して通信の秘匿性を確保するネットワークです。記事では、従来の「偏光ベースのアプローチ」に代わる堅牢なソリューションとして紹介されています。偏光ベースのアプローチとは、光の振動方向(偏光)の情報を用いて暗号化を行う一般的な量子鍵配送技術などを指すと考えられます。これに対し、本ソリューションは「常温で動作」し「ブロードバンド互換」である点が特徴として挙げられています。
さらに、「第三者割当増資」とは、既存の株主に限らず特定の投資家(第三者)に対して株式を割り当てて資金を調達する方法です。これにより、QCiは商業化や量産体制の確立を加速させる資金を得たとされています。
関連する記事としてクアンタム・コンピューティング社、5億ドルの第三者割当増資を実施、総調達額は9億ドルに、Quantum Computing Inc.がNHanced Semiconductorsの7,310万ドルでの買収を完了、Quantum Computing Inc.が2026年第2四半期の財務結果を報告:収益が560万ドルに急増、NHanced買収によりFab 2を立ち上げもあわせてご覧ください。
2025年10月5日




